猫を撫でているときにふと気になるのが「この毛は一体何本あるのだろう」という疑問です。換毛期になると布団や洋服に舞う抜け毛の量も増えて、猫の毛の密度や総本数が気になる方も多いでしょう。本記事では、「猫の毛 何本」という疑問をテーマに、猫の毛の総本数の目安、換毛期や抜け毛のしくみ、体質差、そしてケアの方法まで幅広く最新情報を交えて解説いたします。
目次
猫の毛 何本:毛の総本数の見積もり
猫が全身に持つ毛の本数を正確に数えることは現実的には不可能ですが、体表面積と毛の密度から総本数の目安を算出することができます。国内外の獣医学データや皮膚科学の研究によれば、体重と体表面積の関係、生える毛の密度はある程度の範囲に収まることが分かってきています。ここでは平均的な猫をモデルにして、総毛本数のレンジを示し、長毛種と短毛種の差異も比較します。
体表面積の測定と毛密度の関係
猫の体重(kg)から体表面積(m²)を推定する式が利用されており、軽量な猫ほど面積は小さく、重い猫ほど表面積は大きくなります。例えば5kgの猫ではおよそ0.29m²の体表面積になることが知られています。これは体重の2/3乗に比例する形の数式によるもので、薬剤投与や熱散逸の評価でよく用いられています。
一方、毛の密度とは表皮1平方センチメートルあたりに存在する毛根や毛の数を指し、これは品種・毛種・年齢・季節などで大きく変わります。一般の家庭猫では1平方センチメートルあたり約1,000〜2,000本の毛根が存在するという報告がありますが、もっと密度が高いデータも存在し、例えば換毛期や下毛(アンダーコート)が発達した猫ではそれ以上の密度になることもあります。
短毛種・長毛種による総本数の差
短毛種の猫では、毛の長さが短く下毛の量が少ないため、毛の重なりや密度は比較的低めです。そのため総毛本数の推定値はやや少なくなり、ある程度体重が小さく体表面積が小さい場合では数千万本程度が見込まれます。
対して長毛種やダブルコートを持つ猫(例:ペルシャ、メインクーン等)では、下毛と表毛が密になり、体表全体にわたる毛の重なりが厚いため、総毛本数は短毛種よりもかなり多くなります。具体的には換毛期前後では数千万本〜数億本近くになることも考えられます。
平均的な猫の総毛本数はどれくらいか
これらの情報を元に、平均的な家猫(体重4〜5kg、短毛~中毛)であれば、**およそ4,000万〜6,000万本**の毛が全身にあるという見積もりが妥当です。毛が多い長毛種ではそれ以上、場合によっては7,000万〜1億本近くにもなることがあります。
ただし、この数字はあくまで目安であり、単に毛の長さだけでなく毛根数、被毛の層構造、換毛期の進行度合い、体表面積の個体差などによって大きく変動します。
換毛期と抜け毛の仕組み

猫が一定時期に大量に毛を落とすのは自然な生理現象である換毛期です。太陽光の照射時間(光周期)、温度の変化、湿度、そして体内ホルモンが被毛サイクルに影響を与え、抜け毛や被毛の更新が促されます。ここでは換毛期がいつ起こるのか、どのようなしくみで毛が抜けるのか、また抜け毛の量や時期の個体差について解説します。
換毛期が起きる時期と環境の影響
猫の換毛期は一般的に春と秋の2回が多く、気温の上昇または下降に伴って体が冬毛・夏毛を入れ替える準備を始めます。屋内飼いで人工照明や暖房・冷房の影響がある猫では、季節の換毛がぼやけ、軽い換毛が年中続くことがあります。
毛周期(成長期・退行期・休止期・脱毛期)の構造
毛は一定のサイクルを持つ器官で、成長期(アナジェン)、退行期(カタジェン)、休止期(テロジェン)、脱毛期(エクソジェン)を経て落ち、新しい毛がまた生えてくるサイクルを繰り返します。大部分の毛が成長期か休止期にあるため、通常の抜け毛は毎日少しずつ起こるものです。
個体差による抜け毛の量や季節ごとの差異
品種や毛の種類(短・中・長毛)、年齢、健康状態、栄養状態、ストレスの有無などによって抜け毛の量は大きく異なります。例えば、シベリアンやメインクーンなど下毛の発達が強い種では、春のピーク時には抜け毛が非常に多くなります。対して老猫では毛周期の乱れや代謝の低下で換毛が弱くなることもあります。
体質差とその他の影響要因

猫の被毛の量・密度・抜け毛の頻度などには、遺伝的要素だけでなく生活環境、栄養、ホルモン、健康状態が大きく関わります。下記で具体的な要因とその影響を詳しく見ていきます。
品種による違い
品種によって被毛の構造は大きく異なります。短毛種は毛がシングルコートかライトなアンダーコートを持つのに対し、長毛種やダブル・トリプルコートを持つ猫は密度も層構造も厚くなります。特に寒冷地原産種や標高の高い地域で発達した種は冬毛が特に豊かになります。
年齢・性別・ホルモンの影響
子猫の被毛は柔らかく薄いため見た目よりも毛本数が少ないことがあります。成長するにつれて被毛が厚くなり、毛根も充実します。性別や去勢・避妊手術もホルモンの変化を通じて被毛の質や抜け毛の周期に影響を与えることがあります。
栄養・健康状態による差異
たんぱく質や必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルが不足すると被毛の健全な成長が阻害され、毛質の低下・抜け毛の増加につながります。皮膚の病気やアレルギー、寄生虫感染などがある場合も被毛が不均一になり、抜け毛やハゲの原因になります。
実践的なケアと抜け毛の軽減方法
猫の毛が何本あるかという話も大切ですが、日々の抜け毛の量を減らし、被毛を健康に保つことが飼い主にとってはもっと現実的な課題です。ここでは、被毛ケアのポイント、生活環境の整え方、抜け毛ケアの習慣を具体的に紹介します。
ブラッシングと定期的なケア
換毛期にはデシェッドブラシやアンダーコート用コームなど、下毛を効率よく除去できる道具を使うことが効果的です。日常的には週に数回、換毛期には毎日といった頻度でブラッシングを行うと、抜け毛の飛散を大幅に減らせます。
適切な栄養管理と皮膚の健康維持
高品質のたんぱく質やオメガ3・6脂肪酸、ビタミンA・Eなど被毛や皮膚に作用する栄養素を十分に供給することが、毛の生え替わりや抜け毛の少ない被毛維持に欠かせません。水分補給も重要で、脱水傾向になると皮膚が乾燥し毛が抜けやすくなります。
住環境の湿度・温度管理とストレス軽減
室内の乾燥は皮膚にも被毛にもダメージを与えるため、湿度を保つことが大切です。適温・適光を保ち、ストレスを少なくすることで毛周期の乱れを抑えます。さらに、定期的な健康チェックや寄生虫予防なども加えると安心です。
猫の毛総本数、換毛期、体質からケアまでの比較表

| 項目 | 短毛・中毛の猫 | 長毛・ダブルコートの猫 |
|---|---|---|
| 体表面積の目安(体重4〜5kg) | 約0.25〜0.30m² | 同じ体重でも被毛で覆われる”見える”体表重なり部分が増える |
| 毛密度(本/cm²) | 約1,000〜2,000本/cm² | 同じ面積で2〜3倍以上になることもある |
| 総毛本数の推定 | 約4,000万〜6,000万本 | 約7,000万〜1億本、種によってはそれ以上 |
| 脱毛の季節性 | 春・秋に軽めのピーク | 換毛期に特に大量に抜ける |
ユーザーがよく持つ疑問へのQ&A形式解説
猫の被毛に関する疑問はさまざまで、毛の本数が気になる方も多いでしょう。ここではよくある質問とその回答をまとめます。
1. 猫の毛が一日にどれくらい抜けるか
自然な抜け毛は、毎日少しずつ起こります。特に換毛期には、ペットブラシやコームで触ると数百本〜数千本レベルの抜け毛が確認できることがあります。これは毛周期で退行期・休止期・脱毛期が重なるためです。
2. 抜け毛の異常サインとは何か
抜け毛が急増し、皮膚が露出する・赤くただれる・舐め壊しやかゆみを伴うなどの症状があれば、アレルギー・寄生虫・内分泌疾患などの病気の可能性があります。普段との抜け毛量の比較や毛質・肌の状態をチェックし、不安があれば獣医師の診察を受けるべきです。
3. 毛が薄く見える部分があるが大丈夫か
目や耳の周囲、首のしわ、肛門まわりなどは被毛が薄くなりやすい部位であり、品種や年齢によって自然なこともあります。ただし皮膚の炎症や脱毛スポットが拡大する場合は注意が必要です。
4. 換毛期対策にはいつから準備すればよいか
春や秋の気温の変化に敏感な猫であれば、そのピークの少し前(月単位)から被毛ケアを強めるのが有効です。具体的には換毛前の数週間からブラッシングの頻度を増し、被毛の栄養サポートを行うことで、換毛期の抜け毛量や絡まりを抑えることができます。
まとめ
「猫の毛 何本」という疑問に対して、平均的な家猫(4〜5kg短毛・中毛)であればおよそ4,000万〜6,000万本の毛があるという見積もりが合理的な目安です。長毛やダブルコートを持つ猫種ではさらに多く、7,000万本以上になることもあります。
換毛期と被毛の毛周期は自然のしくみであり、季節・品種・年齢・栄養状態などで差が出ます。普段からのケア、栄養管理、環境整備をしっかり行うことで、抜け毛を抑え、被毛の健康を保てます。
もし抜け毛が急に増えたり、皮膚に問題が現れたりしたら早めに専門家の診察を検討し、正しいケアを続けることが猫と飼い主にとっての幸福につながります。
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